アメリカのアライン・テクノロジー社が開発・製造しているほぼ透明の医療用プラスティック製マウスピース(=アライナー型矯正(歯科)装置)による歯列矯正装置です。従来から行われてきたワイヤー型矯正器具に比べると、患者さまにとってのメリットも多く、比較的簡便に望ましい歯並びを得られるシステムです。一方で、専門医による確実な診断および施術が行われないと、治療が長期にわたったり、歯の並び方に問題が起きたりする可能性もあります。
マウスピース型矯正歯科装置(インビザライン)では、事前に患者さまの口腔内をスキャンし、その歯型データを基に、アライン・テクノロジー社で段階に応じたオーダーメイドのマウスピースを作製。それを治療として1日20時間以上装着し、様子を見ながら1~2週間ごとに次の段階のマウスピースに交換することで、少しずつ歯を動かして矯正していきます。
従来のワイヤー型矯正器具と比べてメリットの多い点がもちろんこれをイチ押しする根拠ではありますが、矯正そのものに抵抗を感じている患者さま、あるいは自分は矯正には関係ないとお考えの患者さまにこそおすすめしたい、チャレンジしやすい安全で、便利な方法でもあります。
薄く透明な医療用プラスティック製のマウスピースは、歯に装着して口を開けても目立ちにくいので、矯正していることが患者さま自身もまわりの人も気にならないはずです。また、装着しても違和感や痛みがほとんどなく、矯正によるストレスはほとんどありません。また、金属ではないので、金属アレルギーの心配がなく、マウスピースが口内で唇などに当たっても口内炎が発生する可能性は低いといえます。
いまでは、お子さまから高齢者まで、幅広い年齢層の歯列矯正に<マウスピース型矯正歯科装置(インビザライン)>のマウスピース型矯正(歯科)装置を用いた矯正で対応できます。事前に3Dシミュレーションソフトにより、どのように歯が動いていくか確認。それにより、全回分のマウスピースを事前にお渡ししておくので、初回や特殊な場合を除いて、基本的にご自宅で、患者さまご自身でマウスピースを交換していただきます。交換やチェックの度に来院する必要がなく、2~3カ月に1回と通院回数は少なめでOKな点も非常に便利です。
快適で便利なマウスピース型矯正(歯科)装置を用いた矯正治療ですが、患者さま自身で装着やお口のお手入れなど管理をしなければならない点がデメリットとして挙げられます。1日20時間以上の装着で当初の計画どおりの矯正効果が得られますが、装着時間が短いと歯の動きは計画の限りではありません。
また、<マウスピース型矯正歯科装置(インビザライン)>の治療には、向き不向きの症例があることも事実です。
ワイヤー型矯正というのは、歯にブラケットという金属またはセラミックなどの装置を着け、そこにワイヤーを通して力を加えることで歯を動かしていく矯正方法です。このワイヤー型矯正は確実に効果を得やすく、長らく矯正治療のメインストリームでしたが、その反面、実はデメリットも少なくありませんでした。
たとえば、歯の表面の装置はずっと着けっぱなしを強いられるため、口を開ければまわりから丸見えです。そのまま人前で話したり、食事をしたりする際に、つい口元が気になり手で隠してしまうこともあり、笑顔も当然、不自然になりがちです。しかも、取り外しがきかないので、痛みが発生しても我慢するしかない上に、食後などお口の掃除も普段以上の丁寧さが求められ、かなり面倒。そこから歯並び以外のトラブルが発生する可能性も考えられます。さらに、金属アレルギーや、治療にかかる時間、費用への不安があるのがワイヤー矯正のデメリットです。
一方、ワイヤー矯正のメリットは、マウスピースでは矯正できない、ワイヤー治療ならではのじっくり取り組むべき複雑な歯並びの症状改善策である点が挙げられます。しかし、いまではマウスピース型矯正(歯科)装置を用いた矯正で解決できるケースが増えてきたとされています。
<マウスピース型矯正歯科装置(インビザライン)>は、 前述したメリットのために、お子さまから高齢者まで広く利用されているのが現状です。各患者さまの歯型に即したカスタムメイドのマウスピースをつくり、装着することで、ムリなく、違和感なく治療が進行。しかも、食事やお口の掃除の際には着脱が簡単に行える点も安心して使用できるメリットです。
>薬機法において承認されていない医療機器について
※完成物薬機法対象外(薬機法未承認)の矯正歯科装置(医薬品)であり、承認医薬品を対象とする医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。